900915

welcome to Hotel Mysterious Lisboa

バス・トイレ付と聞いた場合、あなたは普通どんな部屋をイメージするだろう。 一般的には壁で仕切られたそれではないだろうか。 普通に考えて友人同士や家族連れで利用する場合に、 すりガラスで仕切られたそれはイメージしないと思う。

リスボンでの初めての夜を迎える我々が今いる部屋。 そこはそう、もうおわかりですね? 部屋の一角に設えられたバス・トイレは壁でなく何故かすりガラスで仕切られている理由です。 それも感動しますよ、あなた、全面ガラス張りなんですよ…。部屋から丸見えですよ…、ええ。

といえ、チェックインしても出られないことはない(笑)

何なんだ。この宿…涙。

レセプションに置かれたZappaの自伝といい…。謎が深まりすぎないか。 思えば部屋へ向かう上り階段の壁には、4ヶ国語で歓迎の意を表した電飾が派手に光っているのだが (ちなみにwelcomeだけ解った)、この光が“薄紫色”だったりするのが…。 なんともいえない淫靡な感じが初めからして気になってはいたのだが…まさか関係ないよね。 考えすぎだよね、ねぇ…と二人してすりガラスを眺めつつ力なく虚ろな顔で笑いあう。 そう、彼女も実は電飾見て同じ事考えていたのだ、最初から。

よって、プライヴァシー尊重の為ちょっとしたルールが制定される。 一方がバスタイム、もしくはトイレを使用する際 もう一方はすりガラスに背を向ける体勢キープ、と。 …へんな宿。

not personality , but "oyu"-crisis

それだけではない。ここではヨーロッパの安宿の醍醐味が他にも味わえる。 それは日本人ツーリスト悩みの種の定番“お湯crisis(危機)”所謂“お湯問題”。 大量のお湯を一度に使用すると以後しばらくは無情にも水しかでなくなるアレ。 再びのお湯回復にはかなりの時間が必要で、また回復したところで同じ行動する限り 同様の結果となるその繰り返し。 これは他人事である限り“ふぅーん、へぇー(大変だねぇ)”ぐらいで、 どうってことないではないかと思ってしまいがちなところが罠。 が、一度当事者になるととんでもなく切実な問題と化すのだ。 時におまぬけにまったくそれを予期していない時は輪をかけて悲惨といえる。

が、これぐらい立派っぽい部屋でいくらなんでもそりゃないだろう…と思っても責められまい。 実際部屋は明るく清潔で快適だった、それは凄いありがたかった。 オープンカフェで風に吹かれ風邪が悪化しつつある自覚がありやばいなと内心思っていたので、 熱いお風呂で十分身体を温めすぐベッドへ入ってしまおうと考えていた自分の運命やいかに。 風呂になんか入るな、あほたれ、というのも重々承知しているのだが、 あのRENF(スペイン国鉄)の“濃い”車両で一晩つうか26時間過したらさすがに湯に身を浸したくなったのだ。 それに、風呂付の部屋なんて滅多に泊まることができないのだから。 ここが最後の機会になるかも…と思うとつい…って我ながら悲惨すぎないか。

バスタブに湯をはってつかり、さぁと蛇口捻ったら以後シャワーが水になったのであった。地獄。 今更どうすることもできず(だって、もうタブの中、だいたい頭にはシャンプーの泡が) やけくそになって風邪気味承知で水のシャワーを浴びるという、文字通りの大馬鹿道一直線。 このオチは単に風邪をこじらせるという当然過ぎてあまり面白みの無い顛末に。 さて、私が涙ながらに水のシャワーを浴びていた頃、テレビにはBowieが映っていたらしい。 おまけにRolling Stones等の写真も映っていたらしい。何だったのだろうか。 ボウイといえば、街頭売りの新聞でも特集していた。ボウイは町の人気者。

Blue turns to gray

閑話休題。昼間バックパッカー君から聞いた話を受け、以降の旅程の修正を迫られることに。 修正しつつ二人は途方に暮れる。10月中旬には帰国せねばならないかもしれない…と考えると さすがにかなりヘヴィである。ただでさえ日数足りなくて涙のんでる候補地多いのに。 風邪は一秒ごとに酷く、という表現もオーバーでなくなるくらいの悪化ぶり。困る、最悪。

日中、各フロアに設けられているロビー風な所(踊り場みたいな感じだが)に置いてあった 雑誌の中からStonesが表紙となっているポルトガルの音楽雑誌を… 本当に申し訳ないけどごめんなさい、と悪いと思いつつ部屋へ持ち込んでたのが… バチあたったのだろうか (この件はまったくもって本当すいませんでした)。

窓越しから宿前の通りの賑わいが伝わってくる。 場所柄もあってか暗くなると盛り上がり始めるようだ。 例のポルトガルの謎のひとつ“BINGO”の周辺も華やかな賑わいをみせている。 あぁ…BINGOとはいったい何なのだ―!!

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