900903

観光客への道は 果てしなく遠い

わが? GARTH HOTEL の Breakfast Time は 7:30〜8:45 am となっている。 いつもは結構早くとりに行くのだが、さすがに前日の疲れがとれない (宿からカムデンロック、そして動物園まで歩き、そこからまた歩いて帰ってきたんです)。 結局、ぎりぎりの 8:40 くらいに今日はあいなる。 それでも、ここの朝飯は逃したくない、這ってでも食べにゆきたいぐらい。
※)宿はロンドン大学のすぐ近くあたり

ラヂオ? (ラジカセだったかも) からはなんと! Rolling Stones の “ Ruby Tuesday ” が流れてくる。 まだ、'60s 中頃、ロンドンの匂いをぷんぷんさせていた頃のナンバー。 個人的にとても好きな曲。 しかし。“ Ruby Tuesday ” も現在のこの疲労の前には無力であった。 朝食後、部屋に戻るやいなや二人してまたもやベッドに倒れこむ。

予定としては、イギリスでの Excursion として田舎へ行く心算だった。 が、もう時間的にダメだよねぇ、ということに。 休息後、City 方面行きと変更。 午後一時すぎ、鞭打って出発する。

さすがに LONDON BRIDGE まで歩くのはなんだろう… (というより、むしろ歩くことを想定するヤツは殆どいない、ここから)、 ということでたまには ! UNDERGROUND(地下鉄)に乗ろう!

EUSTON の地下駅はけっこー汚い。 壁貼りポスターの中には当時創刊されたばかりの? 『 VOX 』 という音楽雑誌の宣伝がかなり目立つ (当時 この国の音楽メディアは週刊紙が主流だった)。 表紙、ポスターともにジム・モリソンの写真が大きくフィーチャーされている。 この雑誌はどこの駅でも結構派手にポスターが貼ってある。 おかげで?離英する日、なんとなく買ってしまったくらいだった。 他によく見かけたのは、SOUL系のグループ デ・ラ・ソウル主演?の映画“HOUSE-PARTY” の宣伝ポスターかな。

地下鉄でゆこう

ロンドンの地下鉄は、マジに地中深いらしく、 ホームへのアプローチがやたら長い。 下りのエスカレーターが凄い高低が激しい。 車内は狭い。小さい。 床は年季入ってます風の木製で凸凹となっている。 ヒール履きでは困るような気もする。 ロンドンのキャリア・ウーマンは 果たしてどんな靴で出勤すんのかしら。

平日の昼下がりということもあったのか、今日は座れた (数少ないにしろいつもけっこう埋まっていたのです)。 が、座っていても揺れの激しさは相変わらず。

まあ、日本は鉄道創生期、 イギリスをモデルにしたこともあり、 わりにシステム等もなじみやすい。 この国には、いちおう改札もあります。 ちなみに、地下鉄の券売機は目的地別、 もしくは料金別という2パターンが設置されている。 そのどちらでも購入する事ができる。 どちらかが新型だったはずなんだけど…忘れました。

レボルーション号の走るロンドン・タウン

観光名所?の最寄駅のわりに。 汚く寂れた風な LONDON BRIDGE 駅ではある。意外。 そこからちょっと薄暗い高架下通路を通り、LODON DUNGEON、所謂ロンドン土牢の前も通る。 ここは昔の拷問関係の展示場?。たいへんエグそうなところですね。 だいたい、駅からここら一帯はなんか昼間でも薄暗く じめ〜っとしてひんやりとした薄気味悪さが漂っているような。 辺りはオフィスビル建ち並ぶビジネス街なんですけどね。

テムズ河 (と聞くと、『ガラスの城』!マリアとイサドラを思い出しますが) のへりの道におりて 河に沿って進むと橋につく。駅からはわりにある。 でも、テムズ河岸コースは散歩には丁度よい塩梅なので、気にもならない感じ。

ロンドンの町の至る所にある果物屋台。 ああいう風にされると妙に美味しげに見えるから不思議。 よって、辺りの屋台で小さな赤い林檎を買い求め、齧りながら川縁を歩くことにする。

けっこう美味しいじゃん。ちょっと、甘い気もするけど。 一隻の船が泊まっている。何かの展示?を兼ねているのか。 見学できるらしいが、お金が要るらしくやめる(←でた〜。必殺の定番)。 なんとかベルファスト、とかかかれている。

そこらで河べりの道は一旦デッドエンドとなるので、また路地をつたい通りへと出る。 白いボディに the BEATLES の四人の顔をプリントした二階建ての観光バス?が走ってゆく。 車体には “ REVOLUTION ” とある。 気絶しそうな悩ましさでは全然なく、ダサさに一瞬目を疑う。

LONDON BRIDGE は入場料が必要とわかる。よって、外から眺めて納得することにする。 もちろん、塔部分でなく下の橋部分を渉ることじたいはOKなので、向う岸へ渉ってみる。 橋の両側の塔部分はともかく。 吊り具(といっていいのかなぁ?名称判りません)を ペパーミントブルーに塗るイギリス人のセンスは不可解だ。 恐ろしく趣味が悪い (と私には思える) 。 ロンドン橋は、まるでブルーの丸い缶に入ったデンマーク製バタークッキーのようだ。 あの外観のおうとつ加減が、クッキーの肌ざわりを思い出させたらしいです。

あのときはびびらせてすいませんでした

対岸にあるベンチに腰かけて一休みする。 さっきもテムズ河岸で小さな公園を見つけ休んでいるのに…。 かもめが舞いとび鳥が鳴く。 この町は人間が独りでいることを容認してくれる。 集団の中に巻き込みたいがためのお節介な干渉などしない。 独りでなにかをしていることを気まずくさせない。個であることを許してくれる風 (ほっといてるだけかもしれないが、疎外感は不思議となかった) 。 それはこの町の良さ、だと思う。

__ああ。風が気持ちいい。

それなりに面白そうな気もして、LONDON TOWER (ロンドン塔) に入るかどうか悩む。 なぜ悩むかは、もはやいうまい。 ひとまず塔近くのスタンドで買ったアイスクリームでも食べながら考えることにしよう。 これとて清水の舞台から飛び降りるつもりで決心したのは言うまでもない __60p ぐらいなのに、とほほ。 バータイプのもので、 バニラクリームをみょうに甘くてこってりとしたチョコでコーティングしてある。 デカいので、食べつつ溶けてくると今にもボトンと落ちそうで。 なかなかアイスひとつ食べるのも大変だ。

…すると、出口から日本人の女の子二人組が出てきた。 我々は二人して猛ダッシュかける。 あっちはいきなり突進してきた(それも小汚い!)こちらにビックリしている。 でも、旅行者って、みんな小奇麗な格好をしているものなのだと 今更のように気がつき少々めげる。

入場料を尋ねると、なんと!£5.50に上がったらしい。 それに見合うだけの内容ですか?とコスト・パフォーマンスを問う質問には
「まぁ、見てもいいけど、£5.50の価値があるかというと…ちょっと…」
という程度らしい。

友人は真剣な面持ちで訴える。
「私たちはとても貧しい旅行者なので、それだけ払うか否かは大問題なんです」
その鬼気迫る迫力にタジタジとなった彼女らは、
「そ、そこまでの価値はないのでは…」
と弱気。

さて。我々が入らなかったのは言うまでもない。 たぶん、彼女らにとってワシら、 特に?友人は旅行中の忘れ得ぬよき想い出になっているだろう。

ロンドン塔の名誉のために?付け加えるならば。 辺りはかなりの観光客で溢れていた。 わしらは付近のお土産物屋 (かなり立派) をひやかしつつ、 TOWER HILL 駅から SOUTH KENGINGTON 駅へと 地下鉄 CIRCLE LINE でもって向かうことにする。

目指すは、ハロッズ。

petty cashbook
地下鉄 70 p EUSTON - LONDON BRIDGE ( NORTHERN LINE )
赤りんご 20 p ロンドンブリッジ駅近くの 果物屋台
あいすくりん 60 p ロンドン塔近くの アイスクリームスタンド
地下鉄 70 p TOWER HILL - SOUTH KENGINGTON ( CIRCLE LINE )

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