900919

A JOURNEY MUST GOES ON

何とかここバルセロナでの宿も決まり、 宿の最寄 Universitat 駅からサンツ駅 (Estacio Sants) まで地下鉄で戻った。 というのも、 少しでも宿探しの際の心身とものストレスを軽減するための旅の知恵から、 一旦駅で荷物を預けて、候補地には身軽になって向い、 納得ゆくまで宿選びをしていたためだった。 なんとか無事バルセロナ大学近くに快適そうな宿を見つけた後 荷物を取りに戻ったわけです。

ちなみに、サンツ駅のコインロッカーの特大コーナーは非常に大きく 2人分のリュックが入るほどだった。 当時で朝 6:30 〜 夜 11:00 まで使用できたようです。

で、また荷物担いで地下鉄で Universitat 駅まで戻ったのですが、 どうやら振り出しに荷物預け、 サンツ駅からまずカタルーニャ駅 (Catalunya) まで地下鉄で移動したものの ランブラス通りからバルセロナ大学あたりまでは 空身とはいえ歩いて移動していたようです
(※カタルーニャ駅周辺は町の中心地で、 その近くのランブラスはホテル街でもあります)。
我ながら本当によくこうも歩けるものだと今更ながら感心しますが。

そんなこんなで、リュックを背負い (地下鉄) Universitat から宿を目指していた時だった。 さすがに夜行明けでかなり長時間宿探しで歩き回った疲れも出てきていた。 加えて、ヨーロッパ初体験の、所謂、ムシ暑さ。 これにはさすがにマイっていた。じっとりと汗ばんでくるのもわかる。 おまけに、リュックはただただ重い。 しかし…そんな状態でありながらも…、というか。

クロスロードブルース

宿まで後少しといったあたりで横断歩道の信号が変るのを待っていた。 お互いもう疲労でフラフラだ。 そんな時、道ばたに一枚紙切れが落ちているのが何とはなく目に入ってしまった。 もちろん、最初はゴミであろう、と互いにとりあわなかった。 街角に落ちている紙クズなんてありふれた光景だから。

…が。チラと目に入る模様が何か紙幣風。 ドキリとする私たち2人は、あくまでさり気なくその実鋭くチェックを入れる。

『これ、お札じゃない?』
『…まさか。でもそう見える』
『うん。でもどうしてこんなとこに落ちてるの?第一、どうして誰も興味すら示さないの?』
(すぐ近くで何人かのジモティが同じく信号待ちしていた)
『確かにヘンだよね。見て見ぬフリをしているんだろうか?恥ずかしいから拾うの』
『そうかも…』

__といったような内容のやりとりがいささか興奮気味で交されていた。

今にして思うと、圧倒的に情ない、と思うのだけれど…。 もちろんこのときはそうは思ってなかった、…気もする (合掌)。 まあ…、それほどにくたくたに疲れてたわけです、って言い訳ですが。

天国への階段

どれほどの価値の紙幣なのか全く解らない。 ただ周りの皆のあまりの無関心ぶりから察するに、殆どはした金なのは明白らしかった。 例えば日本でも、一円玉を道で見つけたからといって、 公衆の面前で拾い着服する者はまずいない(と思う)。 それぐらいの価値しかないものなんだろう。 しかし、私たちには“無駄なお金”なんて傲慢な考えはこれっぽっちもないのだった。

何故か、“一円に笑うものは一円に泣く”という言葉に リアリティ以上のものを感じていたらしい (この場合殊勝なのか単に悲惨なだけなのか判断が難しいところです)。 そのときの私たちにとって、1pts でもありがたい。 ツーリストゆえのシャレと見逃してもらおう (おいおい…)。 日本では絶対こんなことしないよね、とか誰が聞いているわけでもないのに (それは確かとはいえ。 言ったところで日本語がスペイン人に通じるのかという根本的問題があるのだった) フォロー入れつつ、とうとう!私たちは決心した。

地獄へドライブ

“拾っちゃおう!! 何時何時助けてもらえるかもしれない…(切実)”

そして。私はリュックをせたらったまま!!身体を前へ屈めその紙幣を拾いあげた。

笑顔のふたり。

が、次の瞬間、その“紙切れ”はまたもとの場所へ返されていた。 誰も関心を見せないのは当然だった。 その 1000pts 紙幣の裏はなんとマッシロだった。 何かのチラシか、ただのシャレなのか (もしくはスペイン版ドッキリカメラであって、 我々の間抜けな姿がスペイン全土に中継されていて、 皆腹を抱えて笑っていたのかも知れぬ)。 …だいたい何のために作成されたものなのか………… 知るわけないだろ〜っ。

第一、こんなとこに捨てて?ゆくこともなかろう…と思う。 ニセ?紙幣を前に一喜一憂してしまった私たちって本当に…(以下削除)。 もうこの場から100メートルダッシュしてしまいたいくらいだった。とほほ。

周りにいた人たちはさぞかし笑ってるんだろうなぁ…。 もしくはそこまでやってしまう切実さにうたれていたかもしれない。 ただ、ここまでくると?貧乏旅行は比喩ではなくなっていたようにも思える。 ここまで達してこそ真のバックパッカーであり、貧乏旅行者の鏡といえないだろうか (大嘘。そんなことあるわけないのだった)。 是非、皆に後に続いてほしい… (そんなヤツいるわけないだろう…)

petty cashbook
コインロッカー @100 pts Estacio Sants駅内 (200 pts)
メトロ 65 pts Estacio Sants - Catalunya
65 pts Universitat - Estacio Sants
65 pts Estacio Sants - Universitat

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