陽がしずかに傾きはじめ
床が 赤く染まりはじめる
囚われの身となったいま
思い浮かべるのは きみの姿
一度だって 気づいたことはなかった
わたしの笑顔が きみの救いになってたことなんて
ただの一度も 思ったりしなかった
わたしの存在が きみによって肯定されてたことを
だけど 遠く汽笛がきこえるだけの
固く石で囲まれたここでは
そんなきみの全ても 遠いいよ
きっと すべては遅すぎたのだろう
だけど わたしを赤く染める夕陽のなか
懐かしい唄を口ずさみながら
ただ ただ きみのことに思いを馳せる
いままでも そしてこれからも
一度も交わることない旅を続ける二人だよ
時には 不思議な夢をみるよ
身をつつむ 冷たい空気に身体丸めながら
指の先まで冷たくなりながら
わたしの心は とても温かくなってるんだ
その夢は こんな夢だ
きみは目覚めた後 わたしを見つけるんだ
少し古びた だけど 日当たりのよい
アパートの9号室のなかで
だけど 実際は 囚われの哀れな身だ
一生囚われたまま終わるのかもしれない
この石の上で朽ちてゆく いつの日かを思う
思い出すのは きみの笑顔と 独特の笑い声
思い出すのは ただ きみの姿
遠くで 汽車が通り過ぎてく音がする
あの汽車は きみの住む街へ 行くのだろうか
ならば せめて 今宵も きみの夢をみよう