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Paradise Lost

天国まで あと10分
準備は すべて 整ってしまった
何もしらない きみが
何もしらされていない きみが
真昼の陽炎のように ゆらめく
陽がまぶしすぎたせいだけじゃない、きっと
そんなきみから 目をそらしたのは
天国まで あと少し
だけど
きみは ここにずっととどまるのだから
―― さよなら

天国まで あと1分
苔むした 楽園の扉が開く
いまさら 何を問えば いいのだろう
声帯を潰されてしまった このわたしは
ただ ただ 咳きこみつづける
せめて
そうして 抗うことだけが
何もしらない きみとの つなぎめと思えて
天国まで あと僅か
―― さよなら

天国まで 数十秒
昇天ラッパが 響きわたる
妙に俗っぽい門番が
口元いがませて 笑う
天国の扉が たちはだかる
いまさら 何と言えばいい
天国行きの切符を忘れたなんて

きみは やがて きづくだろう
靴の踵の下からあらわれる
いちまいの ちっぽけな切符に

天国まで あと一秒
門番は両手をあげて首をすくめる
空は 妙に あおくて はてない
切符を忘れたわたしは どうなるのだろう
門番は
困ったような面白がるような顔をしてる

きみは やがて きづくだろう
靴の踵の下で キラキラ光る
いちまいの 古びた切符に